s-トランクルームの湿気対策サムネイル

先に結論なのですが、トランクルーム利用では「湿気対策は必須」です。

特に屋外型では海上輸送コンテナを改造したものが利用されますが、通気口はあってもそれ以上の湿気改善はありません。(重要)

s-通気口内
ハローストレージの通気口:無いよりはマシだがそれほど期待はできないと評価

つまり、屋外型トランクルームの利用では湿気対策は必須であり、トランクルーム運営会社としてもこの点を利用者に対しておすすめしています。

となると、水没や雨漏りを除けばカビトラブルなどは自分で解決するべき問題といえるのかもしれません。

 

なお、屋内型トランクルームについてはフロア全体を自分で湿気管理するというのは限界があり、トランクルーム選びと預け入れる物品の選別・管理状況で対策するしかありません。

「そもそも屋内なんだから湿度管理など問題ないのでは?」と考えていた時期が私にもありました。

しかし、トランクルームの評判を調査していたところで、屋内型トランクルームの評価に「カビトラブル」が意外にも目立ったので楽観的に考えられなくなりました。

屋内型ハローストレージのエアコン
屋内型ハローストレージのエアコン:サービス側では温度・湿度管理はしていないとのこと

屋内型トランクルームについては現在状況を実際に借りて調査しています。

屋内型ハローストレージ
屋内型ハローストレージ:温度・湿度を計器で調査中

話を戻し繰り返しになりますが、トランクルーム利用では湿気対策は必須で、カビトラブルがあってもサービス側で対応出来る(もしくは対応する)ケースは限られます。

こちらでは、トランクルーム利用における湿気対策について、実際に湿度計などを利用した検証も含めて解説していきます。

トランクルームの湿気対策で重要なのは「預ける物」と「保存方法」

まずトランクルームの湿気対策で最も重要なのは預け入れる物を選ぶことと、その保存・管理についてです。

極端な例を挙げれば、湿気対策が不要なものと必要なものを預け入れする場合に、湿気対策不要であれば特に気に留める必要も無いというわけです。

非常用の水を倉庫保管
非常用の水を倉庫保管:カビが発生してもペットボトルを浸透しないので問題なし

一方で、湿気対策を必要とする敏感な物品の預け入れを行う場合には、それ相応の対策を必要としますし、場合によってはその物品の預け入れをするか検討する必要もあるでしょう。

ハンガーに掛かった衣料品
衣料品の場合にカビトラブルには気をつけたい

つまり何が言いたいのかといえば、湿気に敏感な物の預け入れについてはよく考える必要があるというわけです。

 

とはいえ、すでに預け入れ物品が決まっている場合には、そんなことも言っていられないでしょう。

注意出来る点といえば、あまりにも高価であったりカビが発生してリカバリが出来ないような革製品は家で保管するべきと検討するぐらいです。

 

続けてトランクルームの湿気対策を5つ紹介します。

トランクルームの湿気対策5選

トランクルームの湿気対策としては次の5点が代表的です。

  • すのこを敷く
  • 除湿剤を利用する
  • 壁・物同士を隣接して物を配置しない
  • 衣料品ケースに入れて保管
  • 定期的な換気をする

いずれも家で保管する場合でも同様のノウハウを利用出来ますが、家と異なり一定期間見ることが無いトランクルームでは湿気対策の重要性は高いといえるでしょう。

屋外設置のコンテナタイプトランクルームでは、比較的密閉された空間に対しての湿気対策となるので、除湿剤の利用は効果的です。

それぞれのトランクルーム湿気対策について解説をしていきます。

すのこを敷く

湿気対策にすのこを敷く
湿気対策にすのこを敷く

湿気対策の定番といえば、物品の下にすのこを敷くことが挙げられます。

これは、家で布団を押し入れに入れている方で、実際に利用している方は多いと思います。

 

すのこを敷く効果について、床との間に空気のスキマを作ることで、湿気がこもらないよう対策することでカビトラブルなどを解決しています。

注意点としては、すのこに掛かる重さですのこ自体が曲がる可能性があり、預け入れを行う物品の重量やバランス次第では転倒の可能性もあるため注意が必要です。

すのこ組み木の間隔
組み木の間隔が広いと重量によってはすのこが耐えられない

また、すのこの材質については木質系や樹脂系(プラスチック)で分れますが、湿気対策としては木質系のほうが望ましいです。

ただし、空気の通り道を作るという観点でいえばどちらの材質でも良く、強度の点でいえば樹脂系のほうが安定している場合があります。

そのため、どちらの材質でも特に問題はなく、保管する物品の重量にあったものを選べば大丈夫です。

 

あわせて、木質系のすのこについては「ひのき」「きり」「すぎ」といった樹の種類で悩んでしまう場合がありますが、現実問題としては予算と樹の強度で選べば問題ありません。

弊社で実験したときには、「ひのき」すのこが最も強度が高いと評価しましたので、こちらを使って実験をしていますが金額も最も高い状況でした。

ひのきのすのこ
ひのきのすのこ:値段によって作りの良し悪しがある

強度については、釘の打ち付けであったり、木の間隔や高さもありますが、ホームセンターなどではいくつかの種類について比較が可能なので、預け入れる物品にあわせて選んでください。

ホームセンターのすのこコーナー
意外に充実しているホームセンターのすのこコーナー

除湿剤を利用する

s-業務用の海上輸送コンテナ専用湿気取り
業務用の海上輸送コンテナ専用湿気取り

屋外型トランクルームの利用で最も重要な湿気対策は除湿剤の利用です。

これは、ある程度密閉された空間である一方、湿気がこもりやすい状況があるからです。

 

つまりは、このような条件であれば除湿剤利用をすることで、いくつかの湿気トラブルを軽減・回避することが出来るでしょう。

除湿剤の利用は重要な対策なので、ページ中盤で詳しく説明をしています。

壁・物同士を隣接して配置しない

湿気対策に壁から少し離す
湿気対策に壁から少し離す(上の箱は壁に近づけすぎている)

壁や物同士を隣接して配置しないことは、湿気対策やトラブル回避に役立ちます。

すのこによる空気の通り道を確保するというのが、床部分との間で隣接して配置しないというところでいえば、床以外の部分で空気の通り道を作るといえばわかりやすいでしょうか。

 

とはいえ、倉庫をフル活用したいとなればどうしても物は多くなってしまいます。

その点では、壁に隣接して配置しないという点が重要だと考えています。

衣料品ケースに入れて保管

ホームセンターなどで販売している衣料品ケースに入れて保管することで、湿気対策を行うことが可能です。

ただし、衣料品ケースを利用する場合に注意したいのは、衣料品ケース自体に湿気がたまるといった状況では本末転倒だということです。

 

つまり、衣料品ケースを利用する場合には、個別に湿気取りを配置することや、衣料品ケース自体の密閉性を高くしなければならない点で、少し高度な管理方法といえるでしょう。

密閉性について極端な例でいえば、圧縮袋に入れて保管すれば最も密閉性が高くなりますが、それが出来る方は湿気対策などをすでに理解している場合が多いです。

そのため、衣料品ケースの利用については簡単ではないという点だけ知っておけば十分です。

 

なお、湿気については衣料品ケースは管理運用が難しい設備になりますが、虫害では有効な対策になりますので、おそらくはこの点で衣料品ケースを利用することになると思います。

定期的な換気をする

屋外:加瀬のレンタルボックス1.6畳
定期的な換気は有効だがカビトラブル解決にはなりづらい…

トランクルーム運営事業者などは、定期的な換気をすることを利用者に対して推奨(むしろ利用規約的に依頼している状況にも見える)しています。

実は、定期的な換気については弊社で湿度計を設置して検証した場合にも有効性が高いと評価しています。

 

一方で、四六時中トランクルームを管理するというのは面倒であり、特に比較的遠方に倉庫を借りた場合は定期的換気を行うのは現実的に難しいという状況もあるでしょう。

この点で、途中で説明した除湿剤をうまく利用することで湿度を一定に保つことが可能です。

弊社で湿度対策を検証した場合においても、除湿剤を利用することで湿度の安定に貢献しましたので、やはり数値的に見ても有効と判断しています。

屋外コンテナタイプはどうしても湿気がこもりやすい

屋外コンテナタイプのトランクルームはどうしても湿気がこもりやすい傾向にあります。

以下は、2022年10月における屋外トランクルームに対して設置した湿度系のグラフであり、いわゆる「定期的な換気」で湿度が一気に低下していることが分かります。

換気のタイミングで湿度が低下
換気のタイミングで湿度が低下⇒倉庫内は湿気がこもりやすい

この点を見ると、「定期的な換気」が有効である一方で、屋外型トランクルームにおける湿度はこもりやすい傾向があることが分かります。

コンテナ内外部に通気口はあるが期待できない

コンテナには通気口が設置されていますが、こちらの効果は高くないためにあまり湿気対策として期待は出来ないでしょう。

この通気口自体に電動ファンが付いているなどであれば話は変わってきますが、さすがにそれだと倉庫の貸し出し料金は高くなってしまいます。

屋外コンテナタイプ「加瀬のレンタルボックス」通気口
加瀬のレンタルボックス通気口:無いよりはマシ程度と評価

そのため、トランクルーム内のこもりやすい湿気は、除湿剤の利用で対策をすることをおすすめします。

除湿剤の比較

除湿剤の素材シリカゲルA型シリカゲルB型塩化カルシウムゼオライト
主なメリット低湿度でも湿度を下げる高湿度で大量の水分を吸収できる吸収力が高い低湿度でも湿度を下げる
主なデメリット吸湿容量がB型より小さい一定以下の湿度には下がらない容器に液体がたまる除湿剤製品の料金が高め
利用例海苔などの食品衣料品タンスや靴箱など衣料品や精密部品

シリカゲルとは、ケイ酸のゲルを脱水・乾燥させたもので、日常的によく見る小型の除湿剤の多くはシリカゲルを利用したものです。

 

トランクルームで利用する除湿剤は、主に4つの素材が一般的で、それぞれメリット・デメリットがありますが、実は正直どれでもそれなりの効果を発揮します。

ただし、汎用性が高いものを利用するのが望ましいと考えていて、トランクルーム利用であれば「シリカゲルB型」「ゼオライト」をおすすめしています。

あわせて、途中で説明した衣料品ケースなどを利用した場合には、大きさの制約もあってどれでも利用できるわけではありませんが、逆にどの素材でもしっかり効果を発揮することを考えれば、市販で良く見る除湿剤を利用すれば良いと思います。

 

なお、乾燥剤とは除湿剤とは別のもので、トランクルームにおいては乾燥剤利用は推奨しません。

身近な乾燥剤効果があるものはいわゆるホッカイロなどです。

その理由としては、乾燥剤は除湿効果はあるものの除湿容量で難がありますし、何よりも発熱などで火災に繋がると賠償問題になることに加えて、保管する物品の禁制品として指定されている場合があるからです。

シリカゲルA型

シリカゲルA型は、食品などで利用されている除湿剤です。

食品に同封されている「silica gel」とあるパッケージはこのシリカゲルA型の除湿剤が多く、比較的身近に多い除湿剤でもあります。

 

シリカゲルA型は、トランクルーム内の除湿をするという見方ではあまり適していない一方で、衣料品ケースなどで保管する場合には効果を発揮します。

なお、シリカゲルA型は吸湿後に再生が可能ですが、150度以上の高温が必要ということもあり、日常的に利用するものは使い捨てであるものがほとんどです。

シリカゲルB型

シリカゲルB型は、靴などの乾燥に利用されることが多い除湿剤です。

最大の特徴は、湿度を60%ほどで維持・調整する機能があり、いわゆる「乾燥しすぎ」を防ぐことも可能です。

 

トランクルーム内の除湿であれば、その容量などからも有効な除湿剤であり、入手のしやすさからもおすすめのものと評価しています。

また、シリカゲルB型の除湿剤は吸湿後に日干しで再生可能なので、経済的にも使い勝手が良いのでこの点もおすすめポイントとなっています。

塩化カルシウム

塩化カルシウムの除湿剤は、押し入れの除湿剤などでよく見るタイプで、いわゆる「製品内に水がたまっていく」除湿剤です。

大量に吸湿した場合は発熱するという点はありますが、押し入れ利用などをしていてこれが火災の原因になるということはないために、通常の利用方法であれば危険性は限りなく小さいといえるでしょう。

 

むしろ、危険性でいうならば「製品内に水がたまっていく」ものですが、実は水ではなく「塩化カルシウム水溶液」でアルカリ性の液体です。

そのため、処分する場合には十分に水道水で薄めて捨てるなどの対応が必要であり、保管中に液体が漏れた場合には塩基(アルカリ)性の汚染となってしまうので注意が必要です。

 

とはいえ、塩化カルシウムの除湿剤は日常によく利用されていて身近な存在のものであり、トランクルーム利用で最もおすすめというものではないですが容量が大きい点や入手可能性なども考慮すると十分に利用に耐えるものと評価しています。

ゼオライト

ゼオライトの除湿剤は、あまり日常で見る物ではありませんが、海上輸送コンテナで利用される除湿剤として一般的です。

屋外トランクルームは、海上輸送コンテナを改造した収納スペースであることを考えると、相性としては最も良い除湿剤といえるでしょう。

 

実は弊社が除湿剤をレビューしたのはこの製品によるものです。

欠点として、ゼオライト自体はそれほど高いものではないのですが、除湿剤製品としては総じて高い金額のものがあり、弊社が利用した「ドライポール1000」は送料込みで3700円ほどとなかなか高額な出費でした。

 

利点としては、シリカゲルB型同様に湿度調整機能があるために、乾燥しすぎを防げることに加えて、湿度容量も十分あるのでトランクルーム利用ではおすすめの除湿剤と評価しています。

屋外型(コンテナタイプ)トランクルームで除湿剤レビュー

前の段落で説明があったように、弊社でトランクルーム湿度検証を行ったときに、ゼオライト性の除湿剤を用いました。

s-業務用の海上輸送コンテナ専用湿気取り
業務用の海上輸送コンテナ専用湿気取り

季節としては、2022年9月から10月にかけて調査しましたので、高温多湿の絶頂期ではないにしても、残暑から秋にかけて一定の湿度状況検証が出来たものを考えています。

 

湿度対策としては、カビ発生のトラブルを最も回避したい場合が多いので、まずはカビ発生について簡単に説明します。

温度・湿度によるカビ発生の可能性

温度・湿度によるカビ発生の可能性は、温度と湿度が以下の環境で発生しやすい状況になります。

  • 湿度:60〜80%以上
  • 温度:20~30℃

この条件に最も合致しているのは6月の梅雨時期であるために、改めて弊社におけるトランクルーム湿度検証を行いたいと考えています。

一方で、梅雨時期ほどではないとしても、9月から10月も十分にこの条件に合致する状況が確認出来るので、こちらの結果を共有していきます。

除湿剤を利用しない場合の湿度推移

除湿剤を利用しない場合の湿度推移を、湿度計アプリグラフで解説します。

まずは、トランクルーム内の湿度計グラフをみてください。

乾燥剤なし:室内湿度計グラフ1
乾燥剤なし:室内湿度計グラフ(2022年9月21日から10月8日まで)

こちらは千葉県流山市での計測になりますが、10月5日から雨が続いていたこともあり、湿度は最高で90%と短期的にカビトラブルが発生しやすい数値でした。

トランクルーム内だけだと比較しづらいので、屋外での湿度も計測しています。

住居ポストに入れている湿度計
住居ポストに入れて「屋外の湿度」を計測

以下は、トランクルーム内の湿度計測と同時に行った屋外湿度推移グラフです。

屋外湿度計グラフ1
屋外湿度計グラフ(2022年9月10日から10月8日まで)

数値の点でいえば、トランクルーム内の湿度平均が68%だったのに対して、屋外では74%であり、当然として倉庫内のほうが湿度は低い状況でした。

除湿剤を利用した場合の湿度推移

次に除湿剤を利用した場合の湿度推移を、前段落同様に比較します。

まずは、トランクルーム内の湿度計グラフは以下のものです。

除湿剤あり:室内湿度計グラフ
除湿剤あり:室内湿度計グラフ(2022年10月8日から10月28日まで)

最高湿度は90%ですが、これは除湿剤を入れるときの作業時がちょうど最高の湿度だったようですので、それほど気にすることはありません。

ただし、それ以外でも80%後半の湿度を記録する場面があり、トランクルーム内は外気の影響を受けやすいことと、除湿剤は一気に上昇する湿度に対応することが難しい点が分かります。

次に上記グラフに期間対応した屋外で記録した湿度計グラフです。

除湿剤ありのグラフと対応:室外湿度計グラフ2
除湿剤ありのグラフと対応:室外湿度計グラフ(2022年10月7日から11月3日まで)

屋外の湿度グラフを見ると分かるのは、10月は雨と晴で湿度が乱高下し、そして下旬前(10月18日あたり)より秋に向かって湿度が下がっている点が分かります。

一方で、トランクルーム内の湿度計では外気の影響を受けてはいるものの、屋外の湿度ほどには乱高下していない点が分かります。

今回検証に利用した除湿剤はゼオライト製のもので、湿度調整機能があるので、この機能が有効に働いていた点が確認できました。

検証した物件

今回、検証に利用した物件は、「ハローストレージ南流山駅前」です。

ハローストレージ南流山駅前
ハローストレージ南流山駅前(屋外コンテナタイプ)

屋外コンテナタイプのハローストレージ物件で、外気の影響を比較的受けやすいシャッタータイプの物件です。

他サービスの鏡開きタイプと比べる場合、シャッタータイプは利便性に優れている反面、密閉性に劣る面がありますので、湿度推移の検証には良い物件でした。

ハローストレージの側面
シャッター下部にゴムで密閉性を高めてはいるか外気の影響は他サービスよりも受ける

鏡開きタイプとシャッタータイプでどちらが良いのかは物品によりますが、ダンボール単位で管理出来る小物であれば、シャッタータイプのほうが楽です。

加瀬のレンタルボックスの外観
加瀬のレンタルボックス屋外コンテナタイプ:鏡開きの扉はむしろ一般的

トランクルーム内外の湿度計測と除湿剤の効果検証まとめ

実験の結果として、除湿剤の湿度安定性について一定の結果を確認出来たので、この点は良かったと考えています。

一方で、乾燥剤ではないので除湿効果についてはそれほど強いものではないことが分かります。

ただし、外気と比べて湿度が低くなる傾向を「除湿剤利用時の換気で湿度が上昇した」という点を確認しています。

以下は、除湿剤を利用中に換気したときのトランクルーム内湿度グラフです。

除湿剤ありで換気をしたときの湿度計グラフ
除湿剤ありで換気をしたときの湿度計グラフ

途中で説明したものは、除湿剤利用なしで換気によって湿度が低下したというものでしたが、上記グラフはその逆になっています。

こちらの期間に対応した外気の湿度も記録があり、以下のグラフと見比べてみてください。

除湿剤ありで換気を行ったときの屋外設置湿度計グラフ
除湿剤ありで換気を行ったときの外気湿度計グラフ

外気では緩やかに湿度上昇しているところを見ると、除湿剤の効果はほどほどにあると評価しています。

 

とはいえ、湿度は外気の影響を受けやすいですし、最大湿度に対して有効に機能しているわけではないことを考えると、除湿剤さえ設置すれば良いというわけではありません。

特にカビトラブルで気になる衣料品については、衣装ケースなどに入れて別の除湿対策をするほうが、外気の影響を受けづらいのでおすすめしたいところです。

 

また、今回の実験は除湿剤の有用性を見るためのものなので「除湿剤の効果を比較する実験」ではないために、同時期同条件比較を行いませんでした。

こちらについては、2023年の6月から梅雨入りタイミングで除湿剤比較も行ってみようと考えています。

地域・物件・サービスにより変わる場合あり

ここまで解説してきたトランクルーム湿度検証ですが、まず時期によって条件や状況が変わるために、全ての状況で当てはまるものではないということを留意してください。

あわせて、物件やサービスによっても変わる項目ですので、全ての状況で当てはまるものではない検証結果です。

 

一方で、屋外型トランクルームの場合には、海上輸送コンテナを改造したものが利用されるために、それぞれの基本的な仕様は類似しています。

ハローストレージ:コンテナ1.5畳
ハローストレージ:コンテナ1.5畳「全国展開サービスであれば倉庫内はそれほど変わらない」

特に弊社でトランクルームを利用して湿度検証を行った際に言いたいことは、「トランクルーム内の湿度はこもりやすい」という点です。

つまりは、どうしても湿度がこもりやすいので除湿剤を利用して倉庫利用を行うことが重要ということが、最も言いたいことになります。

おすすめ除湿剤はシリカゲルB型かゼオライト

ここまでトランクルーム利用における湿気対策、除湿剤と湿度検証を行ってきました。

何度も言いますが屋外トランクルーム利用において湿度対策は必要です。

 

そして、除湿剤による湿度管理が合理的であり、その場合の除湿剤素材は「シリカゲルB型」「ゼオライト」によるものがおすすめです。

これは、湿度調整機能があるためであり、乾燥しすぎを防げることは一方で吸湿容量を節約出来るともいえるので、倉庫管理上の手間やコスパの点で優れていると評価出来ます。

 

弊社では、湿度検証という点もありますので海上輸送コンテナに利用される除湿剤としてゼオライト製の値段が高いものを利用しましたが、預け入れを行う物品の金額や希少性が高い場合を除けば、別にシリカゲルB型で良いと考えています。

入手もシリカゲルB型が一般に見るもので容易であり、ゼオライト製は自分で作成するか通販で購入するかといったところなので、総合的にいえばシリカゲルB型が望ましいといえるのかもしれません。

 

いずれにおいても、トランクルーム全体の除湿を考えるのであれば、シリカゲルB型かゼオライト製のものを選ぶようにしてください。

 

なお、ここまで説明してきたのは主に屋外型トランクルームにおける湿気対策であり、屋内型トランクルームについては物件やサービス選びが重要です。

実は屋内型トランクルームにおいては湿気対策が当然にされているものと考えていたのですが、ハローストレージの評判調査を行っていたときに屋外型トランクルームにおいてカビトラブルを多々確認したところで、当方としても驚いている次第です。

屋内型ハローストレージ
屋内型ハローストレージ:温度・湿度を計器で調査中

つまり、変な例えですが宇宙船のような施設全体を管理しているところでトラブルの要素があるとすれば、酸素対策を個別に行うようなものです。

屋内型トランクルームにおいては、密閉されたフロア全体について湿気対策をしなければならないといった状況になりますので、正直いってかなり不毛な対策といえるでしょう。

そのため、現在弊社において屋内型トランクルームについて湿度状況を検証しているところであり、さらに2023年の6月前後の梅雨時期について悪い評判が付いている施設を抜き打ちで確認しに行きます。

このようなこともあり、屋内型トランクルーム利用を検討していて、湿気によるトラブルを不安な方は、衣料品など物品を小分けできる場合において宅配型トランクルームの利用をおすすめしています。

トランクルームに預けてカビトラブルで注意したい物品一覧

最後にトランクルームに預けてカビトラブルになりやすい物品を簡単に説明していきます。

注意してほしいのは、預け入れを行った物品について補償があるとしても、これが有効に機能するかはまた別の話です。

よく保険請求などで「払い渋り」のような記述を確認しますが、詐欺的な請求は当然検証をしっかり行って欲しい一方で、保険会社にとって保険金支払いは費用でしかないので、倫理的な面はさておき出来る限り払いたくないというのも理解出来ます。

 

その点で、補償がしっかりされるということは考えない方が賢明でしょう。

つまりは、預け入れる物品を良く考えることが重要というわけです。

衣料品(特に革製品)

トランクルーム利用で良く預け入れを行われるものとして衣料品があげられます。

ここで特に注意してほしいのは革製品であり、カビ被害におけるリカバリが難しい物品でもあります。

 

これはいわゆるファブリック製品であれば、クリーニングに出して解決出来る一方で、革製品の場合には運や技術・状況でリカバリは変わってきます。

言うまでも無く革製品を預ける場合には、かなり気をつけて湿気対策を行う必要があるといえるでしょう。

ちなみに、弊社で革製品の預け入れはおすすめせず、これは湿気対策をしっかりした場合の「乾燥しすぎ」もトラブルの原因になるからです。

革製品は出来る限り身近なところで保管するか、寺田倉庫のように湿度温度管理を行っているところを利用するようにしてください。

家電(電化製品)

家電などの電化製品は、回路などの都合で湿度に弱い物品が多く、サービスによっては禁制品として指定している場合もあります。

預け入れを行う場合においても、預け入れについては問題無いが補償外としているようなケースもあります。

 

とはいえ、トランクルームを利用する場合に、季節物の家電である扇風機や石油ファンヒーターを預け入れしたいというのは当然のところでしょう。

経験則でいえば、現代流通しているこれらの冷暖房器具はカビトラブルぐらいで壊れるような耐久性では無いために、それほど気にする必要はないですが補償に関しては対象外とされているケースがあるので、特に精密機器の預け入れについては気にしたいところです。

布団

布団を預け入れる場合において、特に注意したいのは預け入れる前の湿度状況です。

つまり布団については、倉庫に預け入れを行う前と預け入れ中に、湿気によるトラブルが発生する要因を持っているということです。

 

布団は汗などを多く吸っているために、良く天日干しをするか、乾燥機などで湿気を取った上で保管したいところです。

保管中の湿気対策については他の衣料品と同じですが、比較的床下に近いところで保管されるケースが多いので、すのこを敷くなど対策してください。

本は紙ですので湿気を吸いやすく、その場合に見た目としては本が曲がるような状況になってしまいます。

また本の湿気トラブルは紙の質によるところが大きく、ハードカバーの本が比較的問題ない状況なのに対して、雑誌は紙の質が良くないために日常的に曲がってしまう状況は確認出来ると思います。

保管中のトラブルについては他と同様なのですが、保管前の対策としてはカビが発生しているようなものと一緒に保存するような場合は、カビトラブルも規模が大きくなってしまいます。

すでにカビが発生している本や他の保管物品とあわせて保管しないように注意したいところです。